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「おーーーーい!!!美桜!!なにしてんの?こっちおいでぇーーー!!!!!」
真桜は満面の笑みで美桜に手を振ってきた。
それでおずおずと美桜は真桜の近くに寄った。
そんな美桜の手をグイグイ引っ張り、真桜は美桜をめいいっぱいに抱きしめた。
「美桜!!!会いたかったよ!来てくれてありがとう!!!」
「ま、真桜……職員室でのことなんだけど……」
「職員室?なんのこと?」
「え?覚えてないの?」
「何が?そんなの知らないよ?階段から落ちたことも知らないし」
と言って、真桜は再び圭太とじゃれあいはじめた。
知らない?どうして?覚えてないの?
美桜はそんなことを思いながら、真桜と圭太が愉しげにしている様子を眺めていた。
その時、林檎を持った安宅 美奈が入室してきた。
「あら?美桜それに圭太くん、来てくれたの?」
安宅 美奈は入室するとスーパーで買ってきた林檎を洗面所で洗いながら美しい笑顔でそう言った。
「この度は俺の不注意で真桜ちゃんに怪我をさせてしまって……申し訳ございません」
と圭太は間髪入れずに安宅 美奈に謝罪した。
「やめてよ〜、圭太くんと真桜との仲じゃない」
安宅 美奈は、おっとりとした表情を浮かべてまた笑った。
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