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「本当に覚えてないの?」
美桜はおずおずと真桜に訊いた。
「ん〜、美桜と職員室まで書類を運んでたところまでは覚えてんだけどね?……で、気付いたら川北総合病院にいるんだもん!足は痛いし、こっちが聞きたいくらいだよねぇ〜」
と真桜は圭太とじゃれ合うのをやめ、自分の左足のギブスを見た。
「ねえ、お母さん。いつになったら退院できる?退屈ーーー!!!!」
顔を上げ不意に林檎の皮を剥いている安宅 美奈に真桜が訊いた。
安宅 美奈は林檎の皮を剥くのをやめ、真剣な眼差しで真桜を見つめ、
「1〜3ヶ月よ。あまり症状が思わしくないの。真桜は」
「?!」
安宅 美奈の返答に真桜は言葉が出てこないくらいに驚きを隠せなかった。
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