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次の日から真桜と美桜のクラスの皆んなが、真桜が入院している川北総合病院に行って、交互に真桜を見舞いに行った。
あまり大勢だと迷惑になるのでクラスの皆んなは、交代で川北総合病院へ行くことに決めた。
美桜と圭太は毎日、電車で真桜に会いに行った。
「そんなに騒がないの!他の患者さんの迷惑になるでしょ?」
と安宅 美奈がお見舞いに来た子たちを叱ったが、一瞬、静かになるものの、すぐに賑やかになってしまう。
それ程までに真桜の人望は高かった。
笑い声が室内に響く。
たまらずに駆け付けた看護師が、
「部屋じゃなくてホロワーに行って?」
と真桜に言ったくらいだ。
それで真桜は車椅子に座り圭太に押してもらってホロワーへ、皆んなを引き連れて行った。
ホロワーは明るく開かれた入院患者が好きなように過ごせる快適な場所だ。
ポツンポツンと椅子に座り患者同士で談笑をしている姿もある。
「真桜?部屋ではないけど、あまり、大声を出さないでね?」
安宅 美奈は真桜にそう言って釘をさした。
「はーーーーい!!!」
と元気よく大きな声で返事をする真桜に言われたそばから……と美桜はクスリと笑った。
いいな。もうこのまま『あの』出来事を忘れてくれたら楽しく過ごせるのにな……。
美桜はそう思いながら皆んなの輪に入り、楽しそうに笑う真桜の顔を見つめた。
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