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真桜が居ない学校では美桜は苦しい思いをしていた。
真桜がいてこその美桜であった。
クラスの皆んなは美桜そのものに関心を示さず、美桜はひとり浮いた存在になっていた。
そんな状態が苦しく美桜はクラスに入るのが怖くなって次第に保健室登校をするようになった。
給食の時だけクラスで食べて、あとは保健室で過ごした。
保健室には不登校の子の居場所だった。
なかなかクラスに馴染めない子。
勉強についていけない子。
メンタルが弱い故に虐めにあったりしている子。
そんな子たちが集まっていた。
美桜ははじめ不安を感じたが、その子たちは温かく、美桜を歓迎してくれた。
「あのさ。今、保健室の仲間と折り紙の薔薇折りに挑戦しているんだけど、美桜ちゃんも挑戦してみる?」
と、美桜と同学年の子……ニキビ顔の三つ編みの女の子がそう美桜に話しかけてきた。
「うん!やりたい!」
久しぶりに同学年の子に話しかけられた美桜は嬉しくて、そう速答した。
そして美桜は、その子に折り方を教えてもらいながら保健室の皆んなと仲良くなっていった。
そして夏休みに入る前には皆んなが折った折り紙の薔薇が保健室に所狭しと咲き誇っていた。
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