【整形手術】

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真桜(まお)安宅(あたけ) 美奈(みな)が何度も語りかけても、うんともすんとも言わず、なにかを考え続けていた。 ____私、ブスなんだ____ 職員室での出来事が真桜(まお)の頭をよぎってはかえりよぎってはかえり……としている。 ____皆んな私のことをブスだと思ってバカにしてたんだ____ そう思うと真桜(まお)美桜(みお)に似ている自分の母親……安宅(あたけ) 美奈(みな)の存在が忌々しく思えてきた。 「……お母さん、出て行って!」 真桜(まお)(ようや)く口にした言葉に安宅(あたけ) 美奈(みな)は驚いた。 「どうしたの?真桜(まお)。どうしてそんなことを言うの?」 安宅(あたけ) 美奈(みな)は悲しそうに、そう真桜(まお)に問い掛けた。 「どいつもこいつも!!私のこと、バカにして!!!ねぇ?!お母さん。なんで私を美桜(みお)みたいな美人に産んでくれなかったの?!!!双子なのに!!!!なんで?!!!!なんでよ!!!!!」 真桜(まお)はそう叫ぶと力いっぱい安宅(あたけ) 美奈(みな)に向かって自分のベッドの上の枕を投げつけた。 「真桜(まお)!!!落ち着いて!!!」 安宅(あたけ) 美奈(みな)は空振りしたベッドの枕を広いながら真桜(まお)をなだめようとした。 「うるさいうるさいうるさい!!!出てけ!!!!」 「真桜(まお)!!!!」 病室中はおろかロビーや看護室にまで真桜(まお)の怒鳴り声が響いていた。 看護師が慌てて真桜(まお)の病室に入る。 「どうされましたか?!!!」 その看護師は美形の看護師。 真桜(まお)の怒りは沸点に達していた。 「バカヤロー!!!!皆んな出てけ出てけ!!!!」 真桜(まお)は不自由な左足を(かば)いながら立ち上がると松葉杖(まつばづえ)を振り回して暴れた。 病室にいた患者もその様子に(おび)えている。 そこへ…… 竹村整形外科医……竹村先生が病室に飛び込んできた。 「真桜(まお)ちゃん。ごめんよ?」 と言うと、竹村先生は真桜(まお)のパジャマのズボンを下げ鎮静剤が入った注射器の針を真桜(まお)のお尻に打った。 程なくして真桜は竹村先生の腕の中で気を失った。
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