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午後三時。千綺の希望で、亜佐飛は彼とふたりだけで会うことになった。ふたりは四階のラウンジの屋外テラスで落ち合う。亜佐飛にとって初めて耳にする「ラウンジ」は喫茶サービスつきの社交室や談話室、という意味としてとらえた。
「さっき一階で千綺くんに話しかけてきた男の子って、千綺くんの兄弟?」
「桂夏のこと?」
亜佐飛はこくんとうなずく。
「いとこだよ」
「いとこ――」
亜佐飛自身にもいとこはいる。栄尋の妹の子どもと知柚の兄の子どもの、計三人。千綺と桂夏は自分でたとえるとこうか、と亜佐飛は考える。
「僕のお父さんに兄がいるんだけれど、その息子なんだ、桂夏は。ちなみに、僕と桂夏は同い年だから、亜佐飛ちゃんとも同い年ってことになるね」
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