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「本題に戻りますね。亜佐飛さんから、みなさんは明後日で帰ると聞きました。せっかく友だちになった亜佐飛さんと、ほんの数日でお別れするのはさみしく思います」
千綺が言った。亜佐飛は「友だちになったおぼえはない」と思ったけれど、なにも言わないでおく。
「ですから、夏休みが終わるまでのあいだ、みなさんにはずっとこのホテルに泊まってほしいのです。もちろん、こちらが無理を言っているので、宿泊費や食費など、それにかかる費用はいっさい請求しません。当ホテルを、心ゆくまで楽しんでください」
千綺の提案は、亜佐飛たちみたいな庶民からすると夢のような話だった。
「そんな、こんなにいい部屋を無料で泊まるだなんて、ここのホテルの人たちに悪いよ」
栄尋は遠慮する。
「私たち家族がチェックアウトした後、この部屋の宿泊を予約しているお客さんがいるんじゃない?」
知柚も後に続いた。
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