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「俺ら身内がホテルを好き勝手してどうする。もっと他のお客さまの気持ちを考えたらどうなんだ」
「亜佐飛ちゃんの家って、ふつうの家庭なんだって。だから、モニターとして泊まってもらえればいいだろ」
「ごめん、モニターってなに?」
亜佐飛は千綺に聞いた。
「お客さんに無料で泊まってもらうかわりに、ホテルの感想を教えてもらうんだ。それはホテル側にとってもメリットがあるんだよ。経営しているだけだとわからないことに気がつけたりするからね」
創業者が戸祭一家の無料宿泊を受け入れたのは、孫に甘いだけでなく、そういう目的もあったのだろう。
「一般的な家庭の亜佐飛ちゃんたちの意見となると、うちとしても貴重で役に立つんだ。無料で泊まっていると言いづらいだろうけれど、ホテルのここがよくないなって思った時は、正直に言っていいからね」
「うん」
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