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「びっくりするくらいダサいね」 「なんでだよ。ちなみに太陽は違うぞ。あれはもう星じゃない。神だ」 「絶賛ダサさ増量中なんだけど」  私が笑うと「なんだよ」と不服そうだったが、最後には彼も笑っていた。 「あ、でもこのことは絶対誰にも言わないでくれ」 「スーパースターのこと?」 「そうそう。こういうのはどうせいつか邪魔が入るんだ。普通の大人は現実語りながら普通の道に戻そうとしてくるからな。それを跳ね返すにはどうすればいいと思う?」 「ギター振り回すとか」 「物騒なやつだな」  麦谷くんは少し怯えた目でこちらを見る。  私の手に何も握られていないことをちらりと確認したようだ。失礼だな。 「大事なのは付け入る隙を与えないことだ。本気で音楽やってること知られたら先回りして邪魔される。それと結果を残すこと。本気って言葉だけじゃ信じてもらえないからな」 「口ではいくらでも言えるもんね」 「ああ。でも正直今の俺じゃ力不足だから、こっそりここで力をつけてるわけだ。まだ誰にも知られるわけにはいかないんだよ」  彼はどうやらスーパースターをただの夢物語で終わらせる気はないらしかった。  てっきり理想ばかり語るタイプかと思っていたから少し認識を改める。 「わかった、秘密にしとくよ」 「助かる」 「代わりにお願いがあるんだけど」 「え、なんかこわいな」 「スーパースターにしか叶えられないお願いなんだよね」 「お、なんだなんだ。なんでも言ってみ」  スーパースターと呼ばれて嬉しそうな彼と目を合わせる。  私はにこりと微笑んで、屋上の角を指差した。 「ここに花壇作っていい?」 「は?」
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