初めてのクリスマスデート

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初めてのクリスマスデート

――「はぁーっくしょん!!」   「だからマフラーしろって」 「やだ、絶対にやだ」 「そんなに嫌? こんなにあったかいのに?」  朔と付き合い始めて早2週間。  12月も半ばに入り、すっかり冬の催しだ。  陽が落ちればあちこちでイルミネーションがキラキラと光り、カップルが増える。  俺たちもその中の一組……に、換算されるのか。 「俺は誰かさんと違って繊細で敏感なんだよ」  恋人。カップル……って、何をするのかイマイチ分かっていない。  キスをしていた関係から恋人に昇格したところで、俺たちのやることは変わっていない。 「そうだね。昨日もあんなに「あーあーあー!!!」  放課後、親のいない隙に家に上がり込んではヤることヤって、学校では友達のように振る舞う。 「道端でなんてこと言ってんだ!!」 「郁が可愛すぎてつい」  それでも、こんなバカでかい奴の朗らかな表情(かお)をみて、こいつのこんな顔見られるのは俺だけなんだよな……とか思って赤らめてしまうのはどうしようもない。  付き合う前はあんなに独占欲むき出しで、嫉妬……とかしちゃってたのに、コイツは俺の。って印があると自慢したくなるくらい独占欲が消えた。 「桐谷!はよ!」 「おー、珍しいじゃんこんな時間に」  例え、二人でいるときに朔の友達が朔に話しかけてきても、どーぞどーぞって気持ちになる。  どんだけ仲良くても、コイツは俺のだから……って。
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