(BL短編)夢であってくれ

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 いつも元気な李仁が元気がない。  特に病気や怪我がなければ朝から陽気、昼も夜も陽気な人なのだが。 「どうしたの?」  僕が声をかけると僕が見てるのを分かってか苦笑いしつつもさっきよりも元気を戻して 「ん、ちょっとね」  と言う。  ちょっとねどころの感じではなさそう。  どちらかといえば僕がネガティヴだからその代わりといっちゃなんだけど李仁が凄く明るく振る舞っている気もする。  かと言って李仁が元気なかったら僕は彼みたいに陽気に振る舞えるのだろうか。 「ちょっとどころじゃないでしょ」  って一応言ってみた。  すると李仁はすんなりと頷いた。 「んー、そのね……」 「その?」  なんかモゴモゴした言い方をするときは李仁、やましいことがあるとき。僕が傷ついてネガティヴになるのが嫌だから良い言い方がないか考えてる時である。  もう10年以上いるから僕にでもわかるよ。そりゃネガティヴな僕だから彼には色々苦労かけてるけどさ……。 「たたないのよ」 「は?!」 「勃たないの、あそこが」 「はい?!」
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