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「よぉ、春風。何してるんだ?」  そこにはクラスメイトの高橋がいた。よりによってこんな時に、最悪の人間に見られてしまった。 「さっきから一人でコソコソ何してんだよ、気持ち悪ぃな」  彼は吐き捨てるように言った。どうやら彼にはさくらっちが見えていないらしい。 「別にいいだろ? 高橋には関係ないことだ」 「なんだよ、その態度」  彼は少し苛立った様子だった。 「悪いけど、今忙しいんだ」 「何だよ、生意気な……あれ? どうして焼きそばが二つあるんだ?」 「関係ないだろ」 「いや、あるね。俺いま腹減ってるんだ。それよこせ」 「だめだ。これは渡せない」 「……チッ」  彼は諦めたようで、その場を後にした……かに思えた。  突然後頭部に強い衝撃を受け、ぼくは地面に倒れ込んだ。 「だっ大丈夫か?」  さくらっちが慌ててそばに駆け寄ってくる。視界がグラついてる状態で、頭上から声が降ってきた。 「これ、もらっていくぜ?」  そう言った高橋は、コンビニのビニール袋ごと焼きそばを持ち去ろうとした。 「ふざけんな! 返せよ!!」   ぼくはすぐに起き上がって、彼につかみかかった。しかし残念ながら返り討ちにあい、意識を手放してしまったのだった。  
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