日本での出会い

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「ゼリ、ゼ……? 何してる……んだ?」 「誘ったのはお前だ」  布団の上に押し倒してから、胸の頂にある突起を舌で転がしズボンにも手をかけた。 「あ……、あ」  ゼリゼは玲喜の下着とズボンを一緒に脱がすと、既に半分頭を擡げている陰茎を手で握り込んで上下させる。 「あっ、ああ、あ」  先走りが溢れてゼリゼの手を汚す。クチクチと音がたち、その音にも煽られた。  何度も繰り返されると玲喜の陰茎がより硬さを持ち、限界を訴えかけてくる。 「ん、んあ、あっ、ゼリゼ……気持ち……いい」  カリ首を撫でまわされ、先端を指の腹で擦ると玲喜の体が小刻みに震えた。 「あ、ん、ん、ぁあ、もう……イキそう」 「イって良い」  ゼリゼの言葉の後で玲喜の陰茎が震え、精を吐き出す。それに指を絡めると、ゼリゼは玲喜の後孔に指を一本挿入させた。 「くっ、あ、ぅ……ん」  初めは苦しそうな吐息を溢していたが、ゼリゼが中の前立腺を押すと玲喜の腰が跳ねて反り返った。 「あ、ああ、ゼリゼ、ソコ……駄目、だ……ッ、あああ!」  指を追加していき内部を慣らす。玲喜の良い所を全て刺激していると、玲喜の表情が熟れて息継ぎも荒くなっていった。  指を四本挿入して玲喜の様子を伺う。もう充分解れている。ゼリゼは浴衣のフロント部分を寛げるなり、下着を下ろすと己の陰茎をゆっくりと埋めた。 「ひぁ、あ、ああ、あああ!」  逃げようとする腰を引き戻してより深く繋がる。  てっきり経験済みで慣れているかと思いきや、内部は他人の熱を知っているとは思えない程にキツく、ゼリゼの陰茎を締め上げた。 「や、キツ……ぃ、待って」  前立腺に当たるように奥まで突くと細腰が跳ね上がり、荒く吐き出した息に合わせて玲喜の肩が上下する。中が馴染むまで待って、ゼリゼは声をかけた。 「動くぞ、玲喜」 「う……? うん」  己が何をされているのか本当に分かっているのか疑わしいくらいの返事だった。  ゼリゼが抽挿を始めると玲喜の体がまた暴れ出す。 「あ、あ、ん、ああっ、ゼリゼ……待って……待ってくれ!」 「先程動くと言っただろう?」  深々と内部を犯した後でゼリゼの抽挿が早くなっていく。 「うあ、ああッ、イク……っまた出るから、止まれ、止まれってぇえ!」  懇願するような声音の後、玲喜の体が硬直した。  吐精している間も内部を突かれているせいで、白濁とした液体が玲喜の胸元まで飛んで汚す。 「ゼリゼ、あ、あああっ、アア……ッ、ゼリゼ~」  玲喜の言葉さえ奪うようにゼリゼは唇を重ねて、舌を絡める。  緩やかに打ち付けている腰を左右に揺すれば、玲喜の体がビクビクと戦慄き、細い足がゼリゼの腰に巻きついた。 「ん、気持ち……っいい、ゼリゼ……気持ちいい」 「玲喜っ」  強請るように直腸内がひきつけを起こしゼリゼを追い詰めていく。きつい締め付けに応えて、ゼリゼは己の快感を求めて律動を早める。  互いの皮膚を打つ音が激しくなっていき、ゼリゼは玲喜の中に欲の証を弾けさせた。  そのまま寝入ってしまった玲喜の頭を撫でてやり、ゼリゼはため息をつく。やってしまった感が拭えずに目を細めた。  だが、このまま玲喜が孕んでしまえばいいとも思ってしまった。  マーレゼレゴス帝国では男でも子を孕む。  少子化が進み廃退するしかなかった人類が自ら進化を遂げた。  それ故に王族の血を残そうと十代半ばから男女問わずに、夜の相手をあてがわれる事が多かったが、特定の相手を作る気も結婚をする気もなかったゼリゼは、今までは欲を吐き出しはしても、相手の内部に子種を残すような真似はして来なかった。  それなのに玲喜には自ら望んで子種を植え付けた。  その意味を考えた時、ゼリゼは自嘲めいた笑みをこぼす。  初めて他人に興味を抱いている。いや執着している。  玲喜を独り占めしてしまいたい。孕んだのを理由にマーレゼレゴス帝国へ連れて行ってしまえばいい。胸中がそんな感情に苛まれていて、乾いた笑いしか出て来ない。  玲喜と会って暮らし始めてからは、毎日新しい自分を発見させられる。  これまでの生活を考えてみても、有り得ない行いばかりをしている自覚があった。 「……ル」  玲喜が寝たまま言葉を発する。 「玲喜?」  声をかけたが玲喜は微動だにしなかった。 「…………ラル、き……ちろう、セレ……ナ」  ハッキリと名を紡いだ玲喜を、ゼリゼは体を硬直させて凝視した。  その名前の一つは己の従者であるラル・マニアンスと同じ名だったからだ。  日本へ転移する前に、ラルも異世界へ行った事があると話していた。  もしそれが日本で、ラルもこの家に飛ばされたのだとしたら玲喜と顔見知りでもおかしくない。  なのに玲喜はセレナの話しはしたがラルの話は一切しなかった。  少し前にラルの名前を出した時の反応もおかしかったのも思い出す。  玲喜が何かしらの特別な感情をラルに抱いていて、名を口にするのを躊躇っていたのなら? それならば納得がいった。  ゼリゼの胸の内に黒々とした気持ちが広がっていく。  玲喜が己と同じようにラルとも関係を築いていたのではないかと考えると、穏やかな感情ではいられなくなった。 「この感情は、何と呼べば良い……?」  自身に問いかけても答えは出ずに早々に諦めた。  頭の中を切り替えようと、ゼリゼは腰を上げる。濡らしてきたタオルで玲喜の体を拭いて後処理を済ますと、腕の中に玲喜を抱き込んで隣に寝床を確保した。  起きた時、誰に抱かれていたのか思い知ればいい。眠れそうになかったがゼリゼは目を閉じた。
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