奇妙なメモ(仮)

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と、そんな事を考えていると、私は徐々に自分の目的を思い出した。そうだ、私はこの家に父の遺作を読みにきたわけでは無い。ただ探し物をしにきただけなのだ。暗くなる前にさっさと探して帰ろう。それに、この家にはあまり長く居たくないのだ。 父はこの小屋で亡くなった。 警察はおそらく自殺だろう、という事で話を落ち着かせた。 “おそらく”というのには訳があった。 父はこの小屋で首を吊った状態で発見された。第一発見者は父の古くからの友人だ。その日はたまたま近くに来たついでに寄ったのだそうだ。ギシギシと軋む縄にぶら下がった父の姿をみてすぐに通報し、現場に警察が駆けつけた。それは誰がどう見ても自殺だった。 一つだけ不可解な点を除いて、、。 それは顔についてだ。父の顔の目元にナイフで眼球ごと切り裂かれたような傷があったのだ。それは右目から左目にかけて一本の線として深く切り裂かれていた。 警察は殺人事件として話を進めようとしたが、手がかりは一つも出て来ず、その後“おそらく自殺”として捜査は打ち切りとなったのだ。 父の遺書も出ては来なかった。
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