櫻の下で咲く想い

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「おばあちゃん、手、出して?」 「なんだい? うわ! なんて冷たい手をしてるの」  祖母の手が私の手を包み込む。じんわりと祖母の温もりを感じた。 「雪が積もってたから遊んでたんだ。また降ってきたから家に入ったの」 「そうなの? ばあちゃんも外に出たい」  縁側の窓を開けると、冷たい風が吹き込んできた。 「おお寒い。いつの間にか冬になって。しばらくは、この寒さを楽しもうねぇ」  祖母は触覚で季節を感じる人だ。
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