【吐露】僕の世界は僕のもの。

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 小さい頃から、過保護な環境で生きてきた。  母は自己主張が強く、こちらが喋っている途中でも、ちゃんと聞かずに反論してくる。でも、こっちが悩みを相談した時などは適当にあしらうか「そんな事で悩むなんて可愛いね」と笑われるだけ。  私は物心付いた時から、自分の世界が大好きで、口下手だった。  何をするにしても、母に「やめた方が良い」「それよりこっちの方が良い」と自分の意見を否定され、幼い自分は、母の圧に押されて「これが自分の意見だ」と錯覚してしまった。それに気付いて「もう口出ししないで!」と言うと「じゃあもう干渉しないから」と一気に突き放された。でも、今まで過保護に生きてきた私は、自分の気持ちがよく分からなくて、何をするにしても「こうしたら母にどう言われるだろう…」と考えてしまい、身動きが取れなくなってしまった。  そうして、何でも他人に決められて歩んできた人生は、自分にとって、納得のいかないものになっていた。もっともっと自分らしい人生にしたかった。  今では、口下手は酷くなったし、他人の声色や表情の変化、態度の変化に敏感になった。それと、仲良くしてくれる人に対しては『自分語り』をする事が多くなった気がする。  『精神的な話』や『深刻な話』を真摯に聞いてくれて、深い部分まで語り合ってくれる人を求めてしまう。  誰かと話している時に、自分の話を遮られてしまい、最後まで話せない事がよく有る。そんな時は、話が上手くまとめられてないんだと自分を責めて、心が苦しくなる。  常に孤独で、苦しくて、寂しくて。  ニッコリ笑う仮面の奥では『私の挑戦に寄り添って欲しい』という想いが常に渦巻いている。  幼い頃に得られなかった『愛』を、無関係な人たちに求めてしまうようになった。  『自分の世界』は大好きだけど、母に勝てなかった『自分の魂』は嫌い。でも『自分の世界』を生んでくれたのは『自分の魂』だ。魂を愛したい。苦しい。どれだけ泣いても諦めない。絶対愛せるようになるから待ってて。  「ごめんね、私の魂。ありがとう」
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