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「と、藤次さん?!」
…そう。
玄関にいたのは、まだ仕事中の、藤次さん。
なんでと言う前に抱き寄せられ、唇を奪われる。
最初は優しく、でも、だんだん深く大胆になってきて、角度を変えて何度も舌を舐められ嬲られ、脚がガクガク震えてきたら、藤次さんから唇を離される。
「エロい顔…キスするだけの寄り道やったけど、計画変更やな。」
「えっ?!」
瞬く間に、玄関内に押し込まれ押し倒され、部屋着のシャツを捲られる。
「ノーブラ…誰か来たらどないすんねん。それとも、見られたいんか?」
「こ、これは!シャツにカップが付いてて…やん!!」
チュッと、胸の先にキスをされ、身体が震える。
両手を頭の上にまとめられ、優しく優しく体を愛撫されて、また…唇にキスをされる。
「…これで、今日は残業確定や。ホンマ、どこまでも俺を堕落させよる。…憎らし。」
「あっ!」
囁かれた声より早く、藤次さんが中に挿入(はい)って来て、玄関先で着の身着のまま、私達は体を重ねた。
*
「…本当に、残業みたいね。」
昼間の、藤次さんの突然の帰宅から数時間。
ちゃぶ台ですっかり冷えた夕飯を眺めながら、ふと、唇に触れる。
昼間したから、夜はきっと…疲れて帰ってくるし、ないわよね。
そう思ったら、急に身体の芯が濡れてきて、唇に置いた指に唾液を絡めて、そっと…胸の先を捏ねる。
「藤次さん…藤次さん…」
考えるだけで、思い浮かべるだけで、どんどん感じて濡れてきて、自慰行為に夢中になっていると、背後から誰かに抱きしめられる。
「えっ?!」
見上げると、そこにいたのは…
「ただいま。」
「と、」
瞬間、唇を塞がれ衣服を脱がされる。
「旦那の帰宅が分からんくらい、遊びに夢中やったんやな?俺の可愛いお子ちゃまちゃん。」
「や、やだ…見ないで…」
「何が。こんなにトロトロにして、今更恥ずかしがるなや。それに…求めとるモンが、ここにあるんや。早よ、使えるようにして。」
「あ…」
目の前に出された、やんわり勃った藤次さんの性器。
欲しい…
心の奥から湧き出る欲望には抗えず、藤次さんのそこにそっとキスをして、口内に含み扱く。
「ああ…ええ…あやね…あやね…」
熱い息と共に紡がれる、名前…
感じてくれてる、悦んでくれてる。
嬉しい…
そうして扱くのを早くしていたら、口から抜かれて、代わりにまた…キスをされる。
「おおきに。もう、十分や。脚、開き。」
「うん…」
頷き、優しく体を横たえされると、藤次さんが覆い被さってきて、広い背中に手を回した瞬間、一つに繋がる。
「好きや…もう、離さへん。」
両手で頬を包み込み、優しく撫でてくれる藤次さんの大きな手から伝わる温もりと、胎内に拡がる…火傷しそうなくらいの…激しい熱。
見つめ合い、行為を加速させ、いよいよ達してしまいそうな瞬間、今日一番の、優しく激しいキスをされる。
「あいしてる…」
*
「…ん。」
目覚めると、外は既に真っ暗で、ベッドの中だった。
隣を見ると、気持ちよさそうに眠る、愛する人…
「藤次…さん…」
「んー…」
ムニャムニャと幸せそうに眠る藤次さんの頬にそっとキスをして、私は眠りについた。
大好きな人とだけする、幸せなスキンシップ。
キス…
これからもずっとずっと、
おじいちゃんおばあちゃんになっても、しましょうね?
大好きよ。
藤次さん。
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