親友が俺受けの人外凌辱本を作っているんだが……?

6/12

97人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
 両腕はネクタイで縛られているので、先に脱がされたのは下半身だった。  昔から修学旅行の共同風呂や銭湯に行っていたのもあって、二人に裸体を晒すのに抵抗はない。  無いけれど、今は状況が状況だけに恥ずかしくて堪らなかった。  じっくり観察するように見つめられ、羞恥で地に埋まりたい衝動に駆られる。 「そういえばココも普通だったな」 「律希ってほーんと全部が普通なんだよね」 「ほっとけ!!」  耐えられなくなった律希は最終手段を投下した。 「つか、お前ら彼女いるだろ! 俺とこんな事してていいのかよ! 浮気してるってチクるぞ!」  そう。二人にはちゃんと彼女がいる。それどころか律希も顔を合わせた事があるくらいだ。  二人とこんな事をしたとなっては、こっちとしては彼女らに合わせる顔がない。  平気な態度を取れるほど律希は不誠実ではなかった。たぶん。 「あーー……」 「そういえばそうだったね」  記憶が確かならもう半年くらいは経っている筈だ。  二人はスマホを取り出すなりそれぞれ電話をかけ始めた。 「俺だ。悪いがもう別れる」 『え、ちょっ秀……?』  秀が通話を終了させる。 「俺俺。ごめんね、別れてくれる?」 『誉、何言っ……』  誉までもが相手の声を遮るように通話を切った。  俺俺詐欺にしか聞こえない。 「女の子にはもっと優しくしろ! 俺なんてな、女の子と付き合った事もないんだぞこんちくしょう! ムカつくっ、ふざけんなっ! お前ら後三発くらい殴らせろ!!」 「え、そんなの当たり前でしょ。律希に気がありそうな子たちは、俺と秀で手分けして徹底的に引き離すようにしてるからね!」 「何でだよっ! 余計な事してんじゃねえよ! クズ共が!」 「クズじゃないよ? 律希には俺と秀がいたらいいでしょ? それに本命と付き合う事になったから別れたの。二股かけるより良くない? 元々律希の代わりにしてただけだし。ちゃんと相手にも了承して貰ってるよ」 「は? 代わりって……」 「お前がノンケだとことある毎に公言するのが悪い。お前を抱けるんなら初めっからソイツらと付き合ってないしな。悪いのは律希お前だ」  秀の横で誉がウンウンと頷いている。  ——あー…………、マジでコイツら纏めて、はっ倒したい。そして絶対縁を切る。 「俺悪くねえだろ。性癖歪んでないだけだ。お前らこそ俺にこんな事してて悪いと思わなかったんかよ! つか、倫理観どうなってんだよっ、性癖も拗らせ過ぎだろ」 「倫理観? 陸に上がる時には無かったよ?」 「俺には初めっからそんなもん無い」  ——うん、もういっそ清々しいわ。  また宇宙と交信してるような気分になってきた。  その前に気になる単語が出てきた気がする。 「陸二上ガル時ッテ……?」  電波系と会話してる気分になり、思わずカタコトになってしまった。 「んー、見せた方が早いかな?」  誉と秀の腰から下がドロリと蕩けたかと思いきや、何本もの白い足がウネウネと動き出す。その一本が律希の頬を撫でた。 「実はこういう事なんですー。俺らイカの人魚だよ。律希忘れてるっぽいけどさ、小さい頃この姿の俺らと会った事あるよ?」 「う、にゃ、キャーーーーー⚪︎△×ッ〜〜!!!」  人生初と言っていいくらいに奇妙で超裏返った声が出た。  長年仲良くしていた親友とその兄は人ではなかったらしい。  色んな事が重なり過ぎて、脳内処理が追いつかなくなった律希はそのまま失神した。  下半身に妙な圧迫感があり、体が前後に揺すられているのが分かって段々視界が開けてきた。  ——眩暈……? でも気持ちいい…………気持ちいいっ!? 「起きたのか、律希」  目の前にやたら雄臭い表情をしている秀がいて、内部の違和感と陰茎を何かに擦られている感触に悲鳴が出た。 「ひ、あ……ッ、ま……て、秀……っ、抜いて」 「お前ん中、居心地良すぎて出たくねえ」  ハっ、と劣情を孕んだ吐息をこぼされ、息を呑んだ。 「起きたし、もう俺の好きに動いていいよなあ?」 「いや、ちょっと待て……っ、て、ん、ぁ、あ! 秀っ、嫌だ……ッ、マジで待って……っ!!」  言い終わらない内に揺すぶられる速度が一気に増した。  違和感しかなかったとこの縁がまた小さくめくり上がったかと思いきや、そこから細めのナニかが入り込んでくる。  視線をやるとウネウネと蠢くイカの足が、己の陰茎に絡みつき、秀の陰茎と一緒に中にも入り込んできた。  内部から腹の辺りを探られ、しこりをみつけると吸盤が吸いつく。その瞬間だった。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加