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「また感じてんの、律希。ダメじゃん。上は俺がやってあげるよ。その代わり、口貸して」
胸の突起に触手を這わされ、吸盤に吸い付かれたかと思えばそこもまた緩く齧られる。
「律希、あーん」
イカの足の間から現れた血管の浮き上がるモノを眼前に突きつけられ、激しく首を振った。
「嫌だ、無理。誉!!」
誉の腰を掴んで押し返す。
「だーめ」
無理やり口を開けさせられて口内に押し込まれた。
「ん、ぐ」
先端を含まされたものの、それ以上入る気がしない。
「顎痛くならないように、ここの感覚だけ無くしてあげる。すぐに亀頭に擦られて上顎も気持ち良くなるよ?」
そんな情報はいらない。
触手に両顎をなでられた瞬間、本当に口を開けている感覚だけがなくなった。
しかも閉じられないようにもされている。
その後、秀には下から突き上げられ、酸欠も相まって頭の中が白に霞む。
「んっ、んーーー、んぅ、んんんー!」
秀から与えられる律動が激しくなる度に、誉の陰茎が喉の奥まで入り込んだ。
そこからは誉の言う通り、上顎が擦られて快感を感じるようになった。
しかし、これでは酸素が足りなくて苦しい。
酸欠で喘ぐと、頭の中がフワリと揺れる。次第に、トリップしているのか多幸感で満ち溢れ、気持ちよさが三割り増しになっていった。
グチュ、ズチュン、パチュ、と聞き慣れない耳障りな淫靡な水音だけが響いていく。
「んっ、ン、んっ!」
頭が痺れて思考が働かなくなり、快楽だけを追ってしまう。
尿道口に入り込んでいた触手が出ていくと、悦楽で何度か意識が飛んだ。快楽を感じる脳神経が焼き切れた気がした。
「んんんーーーー!!!」
気持ち良すぎて泣けてくる。
秀の腰の上で両腰を持たれたまま弾まされ、突かれる度にトロトロと精液が溢れていって秀の腹を汚した。
「トコロテン気持ち良かった?」
誉に頭を撫でられながら問いかけられる。
大人しく頷くと誉の陰茎が急に喉奥まで入ってきてえずきそうになった。
「ぐっ!!」
「律希〜、分かってる? 俺怒ってんだけど?」
頭を抑えられて前後に動かされ苦しくて呻くと、秀から押し殺したような声が漏れた。
「おい、律希。中、緩めろ」
「ははっ、秀そのまま暴発すれば?」
誉が笑って言う。
「んな、イライラすんな。しょうがねえから代わってやるよ」
律動が一気に激しくなり、律希は縛られたままの両手を誉の腰に押し当てて、思いっきり押し返す。
口から陰茎を引き抜くと、顎の感覚も戻ってきた。
「んーー、や、ぁ、あ、あーー!!!」
秀がイくのを見計らって誉に体を持ち上げられる。
秀から吐き出された精液が殆ど顔にかかった。
——顔射は……出来れば女の子にするほうを希望したかった。
顔を拭く間もなく後背座位で誉の腰の上に乗せられ、自重で全て飲み込んだ。
いや、直腸の奥に行っても止まる事なく、誉が腰を押し付けてくる。
「誉! 誉! もう挿入らない!!」
「律希さ、俺の漫画の何を見てたの?」
「なにって……」
「分かりやすくちゃんと断面図まで描いてあげたのに見てない筈ないよね?」
背筋に悪寒が走る。
聞いてはいけないような、得体の知れない怖気だった。
「誉……お前……まさか」
「律希がいるの分かってて態と置いてたんだよ。アレがなかったら人外との男同士のセックスなんてずっと知らないままだったでしょ? それにさ、俺と秀は本当は仲悪くないよ? あれ全部〝フリ〟だから」
耳を疑った。
——誰だ、コイツ。
「え? え? 何……?」
生唾を飲み込んだ。
律希の知っている誉は朗らかで緩い性格で優しくて、いつも隣で笑っている男だった。
こんな策士的な男じゃない。
「殴りあってたのは本当だぜ? 大抵はお前に手を出すか出さないかで揉めてただけだ」
秀までもが意地の悪い笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「あー、ダメ。秀にヤラれてんの見てたらスイッチ入っちゃったじゃん」
正面にいる秀と視線が絡んだ。
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