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親友が俺受けの人外凌辱本を作っているんだが……?
※これは推しロスから立ち直るために無駄にテンション高くした作品なので苦手な方はご注意下さい。
※主人公が読んでしまった同人誌の内部に♡喘ぎがあるので記載してますが、本編のエロ内は普通の喘ぎです。♡喘ぎを期待された方も回れ右してください。
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『あ♡ あ、ん♡』
——何だ、コレ。
上下左右から無数に伸びている触手に全身を絡み取られ、気持ち良さそうに宙に浮かされている。
トロトロに溶けた顔で触手に揺さぶられているのは間違いなく自分……斉藤律希だった。
『あー♡ いい……っ、もっと奥ズコズコして♡』
——あり得ねえ。
結合部分は白ぬきされているものの、擬音と描写角度がエグい。トロ顔といいハートマークの喘ぎといい、正直そこらのエロ本よりエロかった。
しかも凌辱系ときたもんだ。
一目でそういうモノを目的としたエロ漫画は、何故か通常の漫画よりも大きくて薄い。
律希は手にしている漫画を食い入るように見つめ続ける。
「え、マジで何これ?」
そう思うものの、漫画から手を離す事も出来ずに困惑した。
パラパラとページをめくる度に、描写は激しくなり、腹の中の断面図まで描かれている。
直腸の奥であろう図には、横向きに曲がっている部分があり、この漫画の中での自分は、結腸責めというもので潮を噴きまくっていた。
——噂には聞いてたけど、男でも潮って噴くんだな……。
知りたくなかった。
素朴な疑問と共に遠い目をした後で、律希は目頭を揉んだ。
一つ年上の兄と折り合いが悪く、この1LDKのアパートで一人暮らしをしている親友の佐々木誉の部屋には、社会人になった今もこうしてよく遊びに来ている。
今日も同じで、週末を有意義に過ごしているところだった。
昨夜は宅飲みをしていたのもあって、散らかっている部屋の中を掃除しようと思ったのが運の尽きだったのかもしれない。
ゴミを分別しながら窓際に置かれてあるベッドへ近付いた。
ちょうど足元付近にあたる所に置かれてあった寸法百センチくらいの大きさの段ボール箱に目が止まる。
——洗濯物か?
被せられていたシーツを剥ぎ取った。洗濯物だとばかり思っていたのに違ったらしい。
開封された段ボールの中から雑誌みたいな表紙が見えた。
エロ本でも出てきたら揶揄ってやろうと悪戯心が芽生え、軽い気持ちで中を覗き込んだ。
中身とご対面するのに数秒足らず。
箱の中はB5サイズの薄い漫画本がたくさん入っていた。
しかも表紙絵はどこかで見た覚えのある顔と髪型だった。
——こんなサイズの漫画なんてあるんだな。
B5サイズなんて、週刊や月刊発売の漫画雑誌くらいしか思い浮かばない。
一冊だけ手に取ってみると下にも同じ漫画があり、首を傾げる。何冊か手に取って退けてみると、また同じ本が出てきた。
「何冊同じ漫画買ってんだよ、あいつ」
箱の中にはビッシリと同じ本ばかりが詰まっている。
「まさかコレ全部同じ漫画なのか!?」
いくらファンと言えども、こんなに沢山買うものなのだろうか。
ザッと数えただけでも百冊はありそうだ。
そしてページをめくり……話しは冒頭に戻る。
ページを飛ばしまくって最後のページを見つめる。
【律希人外凌辱シリーズ第三話触手編・了。第四話へと続く】
「続くんかよっ!」
手にしていた漫画をベッドの上に叩きつけた。
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