2人が本棚に入れています
本棚に追加
(また落選してる……)
コンテストの結果を見て、私は溜息をついた。
いつかデビューできると信じて毎回応募しているけれど、なかなか私の作品は選ばれない。読みやすい文章なら誰にも負けないし、読んでくれる人の反応もいい。お題に沿った内容にもなっているはずなのに。
他よりインパクトが弱かったのかなとか、発想に意外性がなかったのかなとか、受賞作を読んで悶々としてしまう。
私がこうしてもたもたしている間にも、所属しているコミュニティーのメンバーたちは二度、三度と受賞しているのだ。書くのも速くて、一つの賞に毎度十作以上応募している人もいる。ともに創作に励む仲間であるはずだけど、「あなたには実力がないんだ」と突きつけられるような気がして、勝手に一人で落ち込んでしまうのだった。
私は焦りを感じはじめていた。
Sに、話を聞いてもらおうかと思った。そう言えば最近、彼女とやりとりしていない。ここ二、三日はタイムラインでも見かけていない。忙しいのかなと思ってそっとしていたけど……。
心配になってDMを開き、私は愕然とした。
Sが、アカウントを消していたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!