4人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
沈黙が流れた。
「耀仔」
老大は重々しく巨体の幹部に呼び掛けた。
「今後はお前が面倒を見てやれ」
「はい」
一瞬、虚をつかれた風に返した幹部の男は、しかし、今度は冷たい笑いを浮かべて跪かされた若い男に告げる。
「老大の御温情で命拾いしたな」
茫然とした表情の若い男に片方の腕を捉えていた三下の一人が声を掛けた。
「今日からお前もこの幇の一員だ」
私たちを背にする形で巨体の幹部は若い男を見下ろして尋ねた。
「老大に一生を命をかけて尽くすと誓うか」
若い男は表情の消えた面持ちで、しかし、重い声で応えた。
「はい」
最初のコメントを投稿しよう!