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リナっしー死んだ森でハプニング?
枯れ木に囲まれた闇の中を、柄の悪い一人の美しい少女が彷徨っていた。
「おいっ! バカズーッ! どこに居るんだ返事しろーっ!」
携帯のライトを光らせ、リナは森の奥へ少しずつ入っていく。
連れのカズと言う少年と、リナはいつの間にか逸れてしまったのだ。
こんな不気味な所にアタイを誘っておいて、何勝手にどっか行ってんだよあの馬鹿野郎っ!
あいつがこの前、アタイの誕生日に珍しくスイーツなんてくれたから――
だから、今回はアタイがあいつの誕生日に何か返してやろうと思ったんだよ。
でも、それが間違いだったな。
「バカズのアホーーッ! どうして、誕生日にアタイと肝試しなんて選ぶんだよーーっ! さいっ悪じゃねーかーーっ!」
静寂の空間に、リナの怒りの叫びが響き渡った。
彼女の紅色に塗られた口から、白い息が吐かれる。
寒くて死んじまいそうだよっ!
これで、あたいが幽霊にでもなったら、バカズをずーっと恨んでやるからなっ!
大体、何でこの時期に肝試しなんかするんだよっ!
そういうのは普通、夏するもんじゃねーのか?
後、場所が本格的すぎんだろっ!
まったくこれは、何の嫌がらせなんだ。
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