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「はーっ? 逆立ち歩きなんて、冗談じゃねーよっ! 確かに、あんたを信じなかったけど……森に人が住んでること自体が、おかしいんだよっ! こんなの、予想できるかーーっ!」
怒りと呆れで、リナは綺麗な顔を歪ませた。
ついさっきまでは、バカズでも生きた人間に会えればいいって思ってた。
けど、やっぱバカズは安定にキツイわ。
二人のやりとりをじっと見守っていた永戸が、二人へ尋ねる。
「お前ら……ここまで、どうやって来た」
「えっ? いや、普通に交通機関だけど……学校終わりに、バカズと時間かけて来たんだよ……マジ地獄」
リナが怠そうに言うと、永戸はサラッとこう口にする。
「……それなら、俺がお前らを家まで送ってやる」
「いいのか? それは、助かるなー。じゃあ、宜しく」
すんなりと、リナは永戸の言葉に甘えようとした。
しかし、遠慮したのか、カズがそれを断る。
「いや、自分達で帰るんで大丈夫っすよ……迷惑かけちゃ悪いんで」
「子供二人だと危ねーよ……俺のバイクに乗ってけ」
気が変わらぬ永戸に、菊谷からも頼む。
「それなら安心だ。じゃあ、二人を無事に家まで運んでやってくれ……メンバーが居るし、俺は隠れんぼを再開する」
唐突に人の気配を感じ、リナは思わず木々へとライトを向ける。
すると、枯れ木の後ろから、男性の真っ青な顔が覗いていた。
「うわっ! 何だよビックリした……あんた達の隠れた仲間を、アタイが見つけちゃったよ」
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