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すると、青白い顔をした黒髪の女の生首が、枝にぶら下がっていた。
「うっふふふふふ」
それはなんと、気味の悪い笑い声を上げていた。
どう見ても、この世のモノではない。
「ギヤーーーーッ! 出たーーーーっ!」
流石のリナも悲鳴を響かせ、その場から猛スピードで逃げ出す。
何なんだよ今のっ!
こんなの洒落にならねーよ。
バカズの奴、ガチの心霊スポットにアタイを連れて行きやがったなっ!
絶対、許さねーっ!
後で覚えてろよっ!
カズに猛烈に腹を立てていたリナは、足元に照らされた細長い物体に気づくと、ついに瞳に涙を浮かべた。
「くっそ、またかよっ! ふんっ、幽霊なんか……ちっ、ちっとも怖くねーから……こうしてやるっ!」
幽霊にさえ弱さを見せぬ様にと、リナは必死に強がり、地面から伸びていた手を思い切り踏みつけた。
そして、再び獣道を全力疾走する。
マジであんなのに、アタイはビビらねーからっ!
ただ、幽霊ってまとわりついてきそうでキモいんだよな。
そう、まるでバカズみたいによー。
呪うならアタイじゃなく、バカズにしろよ幽霊っ!
一刻も早く、リナは死んだ森から抜け出したいと願う。
幽霊にも遭遇し心細さを感じていた彼女は、付近にカズが居る事を気づけば望んでいた。
「なあ、バカズー? アタイを驚かそうとして、隠れてるんだろ? そんなガキみてーな事、アタイには全部お見通しだぞーっ!」
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