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「なーんだ……もう見つかったか。なあ、もう一回やらないか?」
上の方から少年の声がしたと思えば、木から大きな影が降ってきて、リナの目の前へ着地した。
「マジでふざけんなよなーバカズーッ! って……誰だよあんたーーっ!」
高身長で赤髪の男は、リナの探していた少年ではなかった。
相変わらず半ギレ状態のリナへ、青年が不思議そうに尋ねる。
「お前こそ誰だ? メンバーじゃないな?」
「メンバーって何なんだ? あたいは、リナだけど……って、もしかしてあんたって、森に住んでる例のっ……」
「ああ、そうだ。俺達は、この森で生きている……お前、よく知ってるなー」
青年の言葉に一瞬リナは自分の耳を疑い、口をあんぐりとさせた。
それってマジ?
何かの冗談じゃねーのかよ。
だとしたら、こいつとその仲間はどう生きてんだ?
野生動物かよっ!
ていうか、居たんだけどこれ、どうするんだ?
自分で言っておいてなんだが、バカズの前で逆立ち歩きなんか、アタイはしたくない。
まあ、今のは見なかった事にして、バカズには隠しておけばいいよな?
「俺はイナズマ組のボス、菊谷茂だ。なあ、リナ……子供がこんな所に、一人で居たら危ないぞ? 変な奴らに会ったらどうするんだ?」
穏やかな口調で声をかけてくる菊谷を、リナはギロッと睨みつけた。
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