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そんなやり取りをしている二人の背後から突然、少年のクールな声が聞こえてくる。
「菊谷さん……見つけた」
「わっ……何だ? 今度は誰だよこいつ……てか、タバコくさっ」
あどけなさが残る片目を隠した少年を目に、リナは小さく飛び跳ねた。
急に出てくんなよ幽霊かっ!
いつの間に来たんだよっ!
「永戸じゃないか……悪いけどな、今は隠れんぼは中断しているんだ……ちょっと人を探していてな」
菊谷と永戸の会話から、リナは彼らが仲間同士だと悟った。
本当に仲間と、隠れんぼなんかしてたのかよ。
まったく、どうかしてるな。
なんかこの永戸って奴、アタイ達とそんなに年が離れてる感じしねーな。
多分、まだ若いだろ。
なのに、こんな場所で大変だな。
「俺も……迷子の奴が居て、そいつのダチを探してるぞ……」
永戸の言葉に、リナは即座に反応する。
「……迷子? それって、もしかしてバカズか?」
「んっ? ……バカズ?」
微かに首を傾げる永戸の後ろから、煙が漂ってくる。
そこから、のんびりとした足取りで、タバコを咥えた制服姿の少年が現れた。
「こんな所に居たのかリナっしー。ったく……迷子になるなよな」
「はーっ? あんたこそ、どこに行ってたんだよバーカッ! それは、こっちのセリフなんだよーっ!」
カズを目にした途端、リナは彼へガンを飛ばした。
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