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「女と付き合うのは面倒……て感じなのかもね」
「ある意味選び放題だから、ある程度の年齢いってから結婚するんじゃないかしら」
「確かに、あのルックスじゃ女に困らないだろうね」
……。
大人の女子トークを聞いてしまった。
そうか……。そうなのかぁ……。
休憩ポイントについて、ペットボトルのお茶を飲む。
やけに日差しがきついような気がするけれど、みんな平気なのだろうか。
「さあ、出発!」
私もよいしょとリュックをかつぐ。
老舗料亭の隣にスパができたというので、着替えをもってきたのもあり、なかなか重量の荷物だ。
「ふう……」
しばらく歩くと、川のせせらぎが聞こえてきた。
「ちょっと、みんな見て!」
お腐り気味のお姉さまが目をギラギラさせて指をさした。
先にいったメンズたちが、川遊びをしていた。
キラキラ…キラキラ…。
日差しがうつる川面と同様に、輝いている。
中には……上半身裸になっている奴も……。
って、柏木くん??
その肉体美に思わず目をそらす。
手が…手がァ…
久しぶりにきたかもしれない。
明日香もキャーキャーいいながら、水をかけあって遊んでいる。
暖かいとはいえ、いま11月だから風邪ひくぞ?
私は、しらずしらずのうちに郡司部長の姿を探してしまっていた。
「あれ……いない」
「ホリカヨちゃん。もしかして郡司のこと探してる?」
後ろから松村係長に声かけられる。
「はっ、うう!」
驚いて変な声が出てしまった。
「あ、いえ……そんなわけでは」
「2人でいるところよく見るから……仲がいいのかと思って」
「師弟愛です!もしくは、兄妹のような関係性でっ!」
って自分で言いながら、悲しくなるなァ…。
「郡司って」
「え……」
「けっこう手ごわいよ。あいつ自身が、じゃなくて……実家とかいろいろ」
「……」
え、何でしょうか。その意味深発言は……。
もしかして牽制かけられてる?
「きゃあああ」
歓声が聞こえた。
郡司部長が……半袖短パン姿になってこちらにやってくる。
いつもの前髪オールバックではなく、前髪がある姿は新鮮で。
かつ、ちょっぴり露出度が高め。
二の腕、ふくらはぎがムキムキ。
33なのに若者だ。あたりまえだ、33はまだ若者だ。若い。カッコいい。
あれ、何言ってんだ私…?
「うっ」
「どうしたの?」
いつもの発作が起きはじめた。
手がカッカッと熱い。
「すみません、ちょっと川に……」
手と、ついでにのぼせた頭を冷やそうと川辺に向かった。
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