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(私も本格的に学校に行こうかなぁ…郡司部長にもっと喜んでもらえるかな)
勉強する美玲ちゃんに感化されて、マッサージの資格が取れる学校を検索しはじめた私だった。
そして時々、教えてもらったメイクをおさらいしてみたりする。
「磨けば光るんですから! 先ずは眉毛の書き方からいきましょ。てか抜きましょ。ちょっとカモメになってますから。ぷちっ」
「あががが…痛い!」
夜は美容体操=YOGAをする。
「固いですね。もっとこうして。ぎゅうっ」
「あががが…痛い!」
「コツコツ積み重ねが大事ですからね」
よれよれになりながらもコクンとうなずく私。
「美」には痛みを伴うんだね…。
美玲ちゃんのロースクールがない日は、仕事帰りにデパートに寄って服を選んでもらったりする。
「ホリカヨさんは、ガーリーな雰囲気でいきましょ」
と長いスカートにブラウス、刺繍のついたカーディガンを選んでくれた。
鏡に映った私は、確かに…今までになく可愛く見えた。
「私的には、ホリカヨさんの素朴…ナチュラルさを失いたくないので、ここまでにしておきます」
「うん。充分だよ」
「ただ、グンジィを落としたい夜は違います。もっと…露出の高い服と、いわゆる勝負下着を買いますからね」
「勝負下着って?」
「私を食べて下さい、っていうときに着る下着のことです。あ、ベビードールランジェリーもそうですね」
「食べる?」
「あー、もう。そこからですかぁ。つまり、エッチして下さいって意味の下着です」
「エエ、エッチ??」
私の頭がガンガンと痛くなる。
「グンジィは…精力強そうなタイプですよね。朝までがんばるタイプ。…ありゃま…これだけでゆだっちゃいましたか」
「ごめん」
興奮しすぎて顔が真っ赤になってしまった私は謝る。
美玲ちゃんには、体質のことはとっくに話していた。
郡司部長とエ、エッチだなんて。
とんでもない……。
「そんなこと考えてたら、マッサージ……できなくなっちゃうよ」
「出来ます出来ます。ある意味、チャンスなんですよ。一番ホリカヨさんが、郡司部長の身体を触ってるんですから」
「……うん」
「郡司部長のせいかんたいも見つけちゃいましょ」
「せいかんたい?」
「あー、ホリカヨさん……。それも知らないんですね。クスクス……。一緒に住んで良かった。色々と教えがいがありますねぇ」
美玲ちゃんは心底嬉しそうに笑った。
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