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ネコたちのことはあんしんしましたが、そのころのぼくはこまってることがあったんです。それは大なわとびが上手くできないことです。もううんどう会まであまり時間がないのにです。いっつもぼくがはやく引っかかっちゃいます。みんなそのたびにため息をついたり、「なんでできないの?」と言ってきました。ぼくは「ごめん」と言うしかありませんでした。先生が止めてくれましたが、みんなの言うことの方が正しい気がします。
休み時間になってもぼくはれんしゅうしました。先生に言われてみんながいっしょにれんしゅうしてくれましたが、ぜんぜん上手くなりませんでした。まさとくんは何度も「気にすんな」と言いましたが、笑ってはいませんでした。うんどう会の本ばんは7回とんでぼくが引っかかりました。大なわとびは点が高いしゅ目なので、そのせいでぼくたち赤組は負けました。
家に帰ってお母さんならなんて言ったかなと思いました。それでお母さんのへやに入るとなみだがでました。でも、少し考えるとお母さんがうんどう会にいなくてよかったとも思いました。
また、いつのまにかねていて。お父さんが帰ってくる音でめざめました。「おかえりなさい」と言うと、お父さんは「おまえあのかさどうした」と言いました。すてたと言おうと思いましたが、やくそくを思い出して、子ネコのことを言うとお父さんがふきげんな顔で「なにやってんだよ」と言いました。「なんでノラネコにそんなことしてんの?さわってないよな?」と言われたので、「かわいかったけど、さわってない」と言いましたが、「うそつくなよ、ふくきたねーじゃん」と言われました。うんどう会があったことを言うと、「ち」としたうちしました。ぼくは少しでもお父さんのきげんをよくしようとしてお父さんがおいたカバンをはこぼうとしましたが、「いーよきたねぇから」と言われました。「ふろも入ってないんだろ」と言われたのでうなずくと、お父さんはため息をつきました。お父さんはカバンを持って部屋に歩いて行きました。あるきながら、かさをどうするか聞くと「めんどくせぇからいいよそのままで」と言われました。「はやくふろ入れ」とお父さんはつづけて言ったので先に入りました。おふろから上がるとお父さんは部屋でだれかと電話してました。きげんがなおったみたいで、笑い声が聞こえました。上がったことを言うと「おん」とひくい声でへんじをしました。お父さんはぼくが夜ご飯を食べ終わった時おふろに入りました。お父さんの部屋のまえをとおる時、ドアが少しあいてたので気になってお父さんの部屋の中をのぞきました。いつも大切なものをおいてるつくえに小さな紙がおいてありました。なんだろうと思って見てみると、ハートの絵にマユミと名前が書かれた紙でした。おしごとの時に使う紙のやつだとわかりました。やっぱりお父さんはおしごとが大へんなんだなと思いながらはみがきをしてねました。
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