死が突いた血

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このことがあってからしばらく、みんなからの目もあまり気にならなくなりました。もともとぼくがわるいからこうなったんだと思ってたので、しかたないことです。ですが、そんなある日ぼくはまたやっちゃいけないことをしました。 給食のとき、食べ物をはこんでいたらイスにつまずいて、まさとくんに食べ物をぶつけちゃったことです。ぼくはハナをぶってりょうほうのハナからハナ血がたくさん出ました。まさとくんは白いたいそうふくがよごれてました。ぼくはみんなにわらわれながら先生に連れられてほけんしつに行きました。そのあとにまさとくんにあやまりました。まさとくんはひくい声で「気にすんな」と言ってくれました。 しばらくしてクラスに帰ってきてもみんなぼくをみて笑ってました。りょうほうのハナにガーゼを入れてるのがおもしろかったみたいです。先生はちゅういしましたが、みんなの笑い声はなかなかしずかになりませんでした。 ぼくはまたすぐに家に帰りました。ですが、その日はさんすうのしゅくだいがあったのにきょうしつにわすれてきてしまったので、急いでとりにもどりました。教室の前まできましたが、中からだれかの笑い声がきこえたので入るのをやめました。中での話し声が聞こえてきました。 「まさとおまえダイジョブなのかよ」 「さいあくだよ、オレまで笑いものだよ」 「おまえよくあそんでたよな?なんかあんのアイツに」 「いや、まぁ一年生のころはおもしろいやつだなって思ってたけどさ、おなじクラスになってからなんかなぁ。さいきんもちょこっとしかあそんでないし」 「ようやくわかったか!そうなんだよ。さいしょはおもしろいんだけどさ、だんだんムカついてくるんだよな」 「ね、あたしうんどう会のあれはムカついた。マジで?って」 「みずき、おまえもれんしゅう中まぁまぁ引っかかってたろ」 「ゆうと、うっさい!それでも女子のあたしよりひどいじゃん!」 「じゅんぺいがいなかったらおまえが言われてたかもな」 「あのね、女子の中でイチバンひどいのひとみだからね」 「今日もいっしょにネコみにいってんのかな」 「もうだれも見に行ってないの?みずきはさいしょのうち行ってたよな?」 「うん、まぁかわいかったけどさ、あーゆーのってバイキンもってんでしょ。ママに言ったらもう行くなって」 「あーそれオレの親も言ってた。言いつけまもらないとうるさいんだよね。じゅんぺいもひとみもバイキンか、うへ〜」 「おい、ひとみはべつにバイキンじゃないだろ」 「おーおーそーだねまさと」 「ヒューヒュー」 「にしてもさ、クラスのみんなほんとにじゅんぺいにはあきれてんのよ。なんかどうなってもいいやつ……みたいな」 「……あのさ、オレ、じゅんぺいに聞いたんだけどさ、アイツ、ウソがつけないらしい」 「え」 「なんかしんだお母さんとのやくそくだからって」 「え〜、なにそれー。けなげー」 「ウソなんてだれでも言わない?」 「まぁ、どんなウソなのかにもよるけど、アイツはどんなウソでもダメらしい」 「何それマンガかよ」 「それとさ……アイツのお母さんさ……」 この話をとちゅうまで聞いて、ぼくはトイレにかくれてました。まさとくんたちがトイレのまえを笑いながらとおりすぎてから教室に入りました。
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