母の身代わり~私が消えた日

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「お母さんがいなくなってしまったから」 「今日からはお前がお母さんの代わりをするんだ」 そう言って父は私に母の洋服を着せる 私には派手だし 子供の体にはまだ大き過ぎる服を 熟していないこの胸には必要の無い下着を 何の役にも立たない黒いレースの三角形のそれを そして父は私を自分の隣りに座らせる 私の体は恐怖で硬直して 陶で出来た人形のように固くなって 動けないでいる 母がいなくなる前から私は母の代わりに 食事を作ったり 父の身の回りの事をしていたのだけれど 母がいなくなった今 ”子供の私”は完全に消滅しようとしている 父は今 夜伽の相手まで 未成熟な私にさせようとしている 隣で俯いている私に大きな手を伸ばして 今着せたばかりの服を 下着を 一枚一枚剥いでゆく   <けれど母の衣類を脱がされても>   <私は元の私には戻れない> 今迄父が毎夜母と悍ましい行為をしていた 見えない精液の染み付いたベッドに押し倒された私の体は 父の愛撫を 舌を 黙って受け入れる事しか出来ないでいる 父の舌が 指が 私の股間をまさぐり まだ無垢な桃色の襞を弄ぶ 恐怖とは裏腹に反応してしまう其れを見て 父は満足気に笑みを浮かべて囁く 「ほら、お前の襞はこんなに喜びに震えてる」 「もうこんなにグショグショに濡れている」 「やっぱりお前はお母さんの娘だ」 「淫乱なあの女の」 ”違う、私は喜んでなんていない” ”私はお母さんとは違う” 心の中でいくらそう叫んでも 私の体は父の愛撫に抗えずに ヌルヌルとした液体をだらしなく垂れ流す 父をこの体に迎え入れる為に そして父は 自分の股間から固くなった赤い其れを出す 母を仕留めた武器を 今は私を仕留める為の武器を そして其れが私の中に突き刺された時 父が腰を振って何度も何度も私を攻めた時 私は完全に 汚らわしい母と一体化した 私が心の底から軽蔑していた あの薄汚い 淫乱な女と― 私はもう何処にもいない 何処にもいない (2023年5月9日?作の詩)
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