嵐直撃、頑張れ風紀

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あれから3時間ぐらいひと言も喋らず集中して、なんとか提出期限に間に合わせて今昼休み。 昼ご飯をかきこんで来たらしい風紀委員の子たちが応援に来てくれた。 「すみません、ミハル様、シノブ様。お二人にばかり負担を背負わせてしまって…」 「いーのいーの!授業免除が適用されるのは委員長と副委員長だけだし」 大きな体を小さくして落ち込みモードな子たちの頭をわしゃわしゃかき混ぜる。 ちゃんと先輩を敬ってくれる1年生かわい〜なでこなでこ。 癒しパワーで充電してると、隣から伸びてきた手に捕まった。 「ここは一旦任せますね。俺は委員長を食堂に連れて行きます」 「えっやだよ。まだ仕事あるし」 「やじゃないです。昨日から固形物食べてないの知ってますからね」 「ナンノコトカナ〜」 「モ◯スターを箱で買っていたと、ある善良な生徒からタレコミがありました。ネタはあがってるんですよ」 「モエだ!絶対モエでしょ!!アイツが善良なもんか!」 真顔でダブルピースする同室者の顔が浮かぶ。 まあ不良で、しのぶんとは犬猿の仲なアイツがわざわざチクるぐらいだから、心配されたのかな。 …や、アイツの場合面白がっただけでしょ。 「ほら、むくれてないで。行きますよ」 「お腹空いてる気分じゃないよママー」 「サラダだけでもいいから食べてください。それに委員長のことだから食堂まで行けば食べたくなりますよ」 「ああー」 ずるずる引っ張っられてドアまで連行される。 いってらっしゃーいって手を振る子たちに軽く手を振り返して大人しく隣に並んだ。 「今日分の仕事は見通しが立っているので、しばらく任せても大丈夫ですよ。この状況がいつまで続くか分からない以上、無理して倒れられても困ります」 「分かってるよう。でも、『風紀かっこいい!』って入ってきてくれた新入生に事務作業ばっかさせるのも可哀想じゃん」 「真面目で飲み込みが速くて助かってますよ。3日くらいの研修で、もう捕縛やパトロールまでこなしてます」 「治安維持、任せっきりでごめんね。書類の方も自分から積極的に仕事を探して動いてくれてるよ。優秀な子ばっかり。今年は豊作だね」 ほんと、彼らがいなかったらどうなっていたことか。 ひと段落したら焼肉でも奢ってあげようね。
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