第1章

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 ここ、ルウェリン王国は世界有数の芸術国家だ  世界的にも有名な芸術家を多数輩出しており、王国自体も芸術家の育成に力を入れている。  そんな王国に生まれた男爵令嬢ヘレナ・メイプルは――世に言う『俳優のおっかけ』『オタク』である。 (うわぁ! 相変わらずすごいわ……!)  舞台上で迫力のある演技を繰り広げる俳優や女優を見つめ、ヘレナはその桃色の目をキラキラと輝かせた。  ここはルウェリン王国にある、劇場の一つ『アシュベリー』。  この劇場では流行の劇を観ることができ、王都にある劇場の中でもトップクラスに人気の高いところ。 (ルーファスさまは、相変わらずとても素晴らしいわ……!)  そして、この『アシュベリー』の看板俳優の一人である、ルーファスという男。彼のことを、ヘレナは熱心に推していた。
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