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ウェルテルの花
人生の終わり。それは死に違いない。
死後の世界の存在を説く夢想家達は皆とうにこの世から去り、何も生まないことが知れた信仰はマッチの炎のように儚く消えた。
死は終わり。それ以降にはただ無があり、何も無い。
しかし、人間は死に向かって突き進む。戦争に経済恐慌に伝染病。ありとあらゆる悪いことが同時多発的に発生し、今の世界は負の凝縮体のようになってしまっている。
夢も希望もありません。それが世界の全て。
不安、絶望、閉塞感。鬱に経済格差に虚しさ。犯罪に汚職に弱い者いじめ。
自暴自棄がトレンドでありつつも、高い承認欲求はいまだに満ち足りない。
そんな混沌とした世界で。
彼女は愛を叫んでいた。
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