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渡されたのは手のひらに収まるくらいの小袋だ。訝しんでいると、スマホにミキからの着信が来ていることに気がついた。
「あ、ごめんなさい。なんだか私、呼び出されてて」
私がスマホを見ると、泣いていた拓土さんもスマホを見る。
「おっ、俺もだ。ーー▲▲大学?」
「えっ私も▲▲大学に」
偶然にも呼び出し場所は一緒らしい。
「ということで、私たちもう行きますねーーあれ?」
振り返ると、おじいさんはもう何処にも居らず、桜の木だけが微笑むように私達を見下ろしていた。
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