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「つ、つ、つ、角が生えている!!」
わたしはあまりのことに大声を上げてしまう。だって、人間の頭から角が生えるなんて有り得ないでしょ。
そうか、きっと、そうだよね。あの角はおもちゃの角なんだ。そうとしか考えられない。子供だからおもちゃで遊んでいるんだね。
わたしは、自分を納得させるようにうんうんと頷く。
「お姉ちゃんどうしたの? なんか口を金魚のようにパクパク動かしているね」
「それに目も大きく見開いているね」
角を頭から生やした(いやいやきっとおもちゃの角だ)二人は首を横に傾げきょとん顔でわたしを見る。
「だ、だって、頭から角が生えているから……それはおもちゃの角だよね?」
わたしは、恐る恐る尋ねた。
「角ってこれのことかな?」
「あ、この角のことか」
唯美ちゃんと丸男君は頭にニョキリンと生えた角を(いやいやあれはおもちゃだ)手で触りながら言った。
「うん、その角だよ。それはおもちゃの角だよね?」
わたしの問いに二人は……。
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