古民家と鬼

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「おもちゃの角ってこれのことかな? 本物に決まってるよ〜」  唯美ちゃんが角を撫で撫でしながらさも当然だと言う顔をして答えた。 「もちろん本物だよ」   丸男君も角を撫で撫でしながら得意げに答える。 「ほ、本物って嘘でしょ?」 「わたし達は嘘なんてつかないよ。ねっ、丸男〜」 「うん、そうだよ。僕達は嘘なんてつかないよ〜ねっ、唯美ちゃん」  唯美ちゃんと丸男君は顔を見合わせ頷き合っている。 「そ、そんな馬鹿なこと有り得ないよ」  わたしは頷き合う二人の角をじっと眺めながら言う。 「だったらお姉ちゃん触ってみる?」 「特別に触らせてあげるよ〜」  唯美ちゃんと丸男君はそう言いながらわたしに近づく。 「わ、わっ! ち、近寄らないで」  間近で見る角(おもちゃと信じたい)はより本物のように見えた。 「嘘だと思うんだったら触って確認するのが手っ取り早いよ〜」 「そうそう触ってみるのが一番だよ〜」  言いながら二人はわたしにグイグイと角を見せつけてくる。 「おもちゃだもん。その角は絶対におもちゃだもんね」  わたしは勇気を出して角だと唯美ちゃんと丸男君が言い張るそれに触れてみた。 「え! こ、これは」
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