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わたし、久内 真里花は苦しい受験勉強を乗り越え今年の春めでたく女子高生になった。けれど……。
高校の調理実習でわたしは失敗ばかりした。卵焼きを焼いては真っ黒に焦がすは味噌汁は味のない薄い味噌汁になってしまった。
真里花ちゃんは見学しててよとクラスメイトの保美ちゃんに言われしゅんとなる。
仕方がないのでわたしは洗い物係になった。その洗い物も手を滑らせ食器を割ってしまう。
そんなわたしのことを保美ちゃんや同じ班になったクラスメイトは呆れたような目つきで見る。なんだかわたしはこの場所に居ては駄目な存在なのではと考えてしまった。
何回かそんなことがありわたしはクラスメイトと楽しく会話ができなくなった。
毎回調理実習は苦痛だし、それに保美ちゃんに「ねえ、真里花ちゃんって本当にどんくさいよね。お母さんに料理を習ったら」と言われたのだけど……。
そのお母さんが『カップラーメンしか存在しない異世界からわたしはやって来たのよ。でもね、これは絶対に秘密だよ』なんてとんでもないことを言うような人だったのだ。
しかもわたしの小指に自分の小指を絡ませてこようとする。
そう、わたしのお母さんも料理ができない人なんだよね。そんなお母さんに料理を教えてとお願いしたことが間違っていた。
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