古民家と鬼

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 わたしは驚き「ぎゃー!! つ、角が生えている。お、鬼だ!」と大きな叫び声を上げた。 「角って、あ、しまった。隠すのを忘れていたぞ」  森太郎さんは慌てた様子で言った。  その森太郎さんの手にはカップラーメンが握られていた。カレー味のようだ。わたしカレー味のカップラーメン好きなんだよね。食べたいな。なんて言っている場合ではない。  逃げなきゃ。鬼に捕まってしまうとどうなってしまうかわからない。  わたしは一目散に逃げる。 「おい、君! また、逃げるのかい? カップラーメンを一緒に食べないかい?」  わたしの背中に透き通る声がする。      今、カップラーメンと言ったような気がする?   カレー味のカップラーメンは好きだけど、悲しいことに我が家の味がカップラーメンなので食べたいけど食べ飽きています! と心の中で叫びながら全速力で走る。 「おい、君、古民家が気になるから来たんだろう」  わたしの背中に森太郎さんの声が追いかけてくる。その声を振り切りわたしは逃げる。  そう、全速力で逃げていたはずなのにわたしの腕はぎゅっと掴まれていた。  まさか、わたし捕まったの? 恐る恐る振り返ると森太郎さんがニヤリと笑っていた。  怖いよ。
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