古民家と鬼

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「あ、あの、皆さんはカップラーメンをよく食べるのでしょうか?」  わたしは、カップラーメンについて語り合う三人に尋ねる。 「うん、カップラーメンしょっちゅう食べているよ。大好物なんだ」  唯美ちゃんがにぱっと笑いながら答えた。 「へぇ~そうなんだね……」  カップラーメンをこよなく愛する鬼ってなんだかなとわたしは考える。  それにこのレトロな古民家とカップラーメンは似つかわしくない。 「森太郎さんが三分待ちなさい。一分では早すぎるって言うんだよ」  丸男君が森太郎さんをチラッと見て言った。 「だって、そうじゃないか。三分待たないと麺も具も固いじゃないか」  森太郎さんは「うん、三分待ったカップラーメンは美味しいな」と言いながらズルズルと麺を啜る。とても幸せそうな表情だ。  怖い鬼なのかなと思っていたけれど、なんだかちょっと拍子抜けするほどほのぼのしている。  みんなで食べるカップラーメンはいつもより美味しく感じた。 「さて、今更ながら自己紹介だ。俺は鬼沢(おにさわ)森太郎です。君の名前は?」  森太郎さんの青味がかった澄んだ目がわたしを見つめている。 「はい、わたしは久内真里花です」と挨拶をしてペコリと頭を下げた。 「わたし達はさっき名乗ったけど唯美だよ。よろしく真里花ちゃん」 「僕は丸男ね。真里花ちゃん」  可愛らしい角をニョキリンと生やした子鬼な二人がにぱーと笑った。
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