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鬼とあやかしとカップラーメンしか存在しない世界と夢
鬼さんと子鬼ちゃん達と別れた後、わたしは神社で「神様、わたし鬼さん達と友達になれました。ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝える。
すると、吹く風と共に、
『それは良かったな』と神様が言ってくれたような気がした。
森太郎さんや唯美ちゃんに丸男君とわたしの共通点はカップラーメン仲間ということぐらいではあるけれど、それでも出会えて良かったと思う。
暗い青春時代を送っているわたしにちょっとしたスパイスのプレゼントになったかもしれない。
「神様、狛犬ちゃん、またお詣りに来ますね」
わたしは、一礼をして鳥居をくぐり帰路につく。
鬼と出会った不思議な体験をしたわたしは、何故か鼻歌を歌っていた。
そして、見慣れたごく平凡な二階建ての我が家に着くとやっぱりほっとした。
「ただいま〜」といつものように挨拶をして家に入る。
「おかえりなさい」とお母さんの元気な声が聞こえてきた。
台所ではお母さんが夕飯を作っているようだ。今日もカップラーメンかなと思いながらわたしは台所を覗く。
そして、何気なくテーブルに目をやると、『鬼とあやかし』と赤色の文字で書かれた冊子が置かれていた。
鬼とあやかしの文字に胸がドキドキしてくる。
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