カップラーメンしか存在しない異世界からやって来たのよ

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「ああ、もう嫌になるな。素晴らしい仲間と出会い青春時代をおもいっきり謳歌しようと思っていたのに〜」  わたしはそう言いながら足元にある小石をおもいっきり蹴飛ばした。  すると、小石はびゅーんと飛んだ。思ったより飛んだ小石はころころと転がった。  その小石を眺めていると、小学生の頃下校時に友達と石を蹴りながら帰ったことを思い出す。  わたしは、ころころと転がる小石を追いかける。 「小石さ〜ん、どこまで転がるの〜?」  小石を追いかけ続けると道の脇に小川がサラサラと流れている田園風景に出くわす。  こんな場所(ふうけい)知らなかったなと思いながら転がる小石を追いかけていると、古い石橋が見えてきた。  そして、その石橋を渡った先に古めかしい鳥居があったのだ。 「鳥居? こんなところに神社なんてあったけ?」  わたしは、しゃがんで小石を拾いその小石に目を落とし「小石さんがわたしをこの神社に連れて来てくれたんだね」と言った。  もちろん返事なんてなかったけれど、小石をポケットに仕舞いわたしは一礼してからゆっくり鳥居をくぐる。  目の前にある階段を上ると左右に狛犬がでーんと鎮座していた。 「狛犬さんこんにちは」と挨拶をしてから拝殿のお賽銭箱の前に立ちポケットから財布を取り出しお賽銭を入れる。 「神様、聞いてくださいよ。わたしのお母さんがとんでもないことを言うんですよ」と言いながらお賽銭箱の真上にある鈴がくくりつけられている鈴緒振る。  ガランガランと良い音が鳴った。  すると、神様がようこそと両手を大きく広げてくれたような気がした。
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