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今日はエイプリルフールだ。
どんな嘘がいいかなぁ?例えば、宝くじが当たったとか?でも1億円当たったとか、そういう話をしても現実味がないよね。100万円くらいならまだ信じてもらえるかも?
あっ。ちょうどいいところに、山田がいた。
「ねぇねぇ、山田。私、宝くじで100万円当たったんだ」
「は?100万円?すごいじゃん」
山田は、私の嘘を丸々信じた。
「それなら、今日の夕飯、鈴木の奢りでどっかいこうぜ」
どこがいいかなぁ、なんてスマホで検索し始める山田。本気にした?まともに受け止められるとは思わなかった。
「山田、今日が何の日だかわかる?ちょっと嘘ついてみようと思っただけだよ」
「あー……、そういうことね」
私の説明に、ちょっとガッカリしてる山田。
「どうした?」
「奢ってもらうってことを口実に、鈴木と一緒にご飯いけたらなって思ったんだけどな」
「なにそれ」
「にぶいなぁ、鈴木。まぁいいや。せっかくだから、仕事終わったらご飯行こうぜ」
「……別にいいけど」
嘘ついたお詫びに、今日は奢ってあげてもいいかな?と考えて、私は頷いた。
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