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数日後。近くのアパートを借りて、帆志は事務所に足を踏み入れていた。社長の後に着いて歩いていく。
「君に紹介するのは、うちの厄介者達だよ」
「厄介者?……どういう意味ですか?」
「それは、会ってみれば分かるよ」
社長は、地下に続く階段を下っていく。帆志は不安になりながらも、その後について行く。
長い廊下を歩いていると、突き当たりの壁に扉が見えた。木でできた、ボロい扉だ。
「ここだよ」
「……ここ?」
歩く度に床がギシギシなり、どこからか風も吹いてくる。……地下のはずなのに。
「さ、開けてみて」
促されて、錆びたドアノブに恐る恐る手を掛ける。ボロすぎて開かないかと思ったが、軋みながらもゆっくり、確実に開いていく。
初めに目に入ったのは、廊下の雰囲気とは裏腹に、ポップな内装だった。明るい色が目に入る。壁も床も、カラフルだ。よく見て、床にはカーペットが敷いてあるのだと気づく。壁は落書きだ。
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