六等星の下剋上

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「子供部屋……?」  率直に思った感想を述べる。 「ははは、子供部屋か。確かにそうだな。ここで暮らしている子達も、まるで子供のような子達だ」  部屋に足を踏み入れる社長の後に、帆志も続く。死角になっていた場所に、数人の人影が見えた。 「ちょっと、それ私のー!返してよっ!」 「早い者勝ちだ。俺が先に取ったから俺の」 「え、えっと、僕の食べる……?」 「喧嘩しないの。ほら、まだあるから」 「………」  みんなで机を囲んで、菓子をつまんでいた。アイドルとはかけ離れた光景に唖然とする。  そんな帆志を横目で見ながら、社長が手を打ち鳴らす。 「はい、君たち。注目」  みんな動きを止めて、社長に向き直る。 「みんなに紹介するよ。この子は君たちの新しいマネージャーになる、空見帆志マネージャーだ」 「……よろしく、お願いします」  期待とかけ離れたアイドル達に、落胆してしまう。
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