六等星の下剋上

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「そこにいる根暗そうなのは、かずは。海外から来た子だよ。日本語も英語も、どっちも出来る。勉強面でなら、彼は役に立つよ」  ソファに寝転んでいる、パーカーを着てフードを目深にかぶった子を指さした。その手元にはゲーム機がある。  パッと見、性別も見分けがつかない。社長が『彼』と言っていたことから、男の子なんだろう。  時折彼が動く度に見える、スラリとした白い腕や足は、女物のように綺麗だ。 「最後に、彼は(ゆい)。性別は明かしてないんだよ、あの子は。みんなは好きなように呼んでる。君も好きなように呼んでやるといい」 「よろしくお願いします、マネージャーさん……」  オドオドと挨拶をしてくる。気弱そうな子だ。その声は男のものとも、女のものとも区別がつかない。顔立ちも中性。肩まで伸びた茶髪が、一層顔立ちを引き立てている。  みんなの紹介を聞いて、帆志は少し、肩の力を抜いた。
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