エイプリル・フール

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 エイプリルの目が元に戻り、かわいい小鳥の姿に戻った。パニックに陥っていた俺も落ち着きを取り戻してきた。  馬鹿、と言われたのが引っ掛かるけど。  エイプリルは、俺と出会う前から地球にきていたそうだ。そして過去に地球を訪れたさまざまな種の地球外生命体の痕跡や遺物を調査することが任務だと言う。今までの調査員が発見したものの履歴はすべてデータとして残っているが、エイプリルの種族はとても小さい地球外生命体なので詳しく調査をすることができないでいた。そこで考えたのが、地球人に調査をさせることらしい。 「ワタシタチヨリ、オオキナ頭脳ヲ、モツノニ、地球人ハ、単純馬鹿ガ、オオイ。オマエノ、ヨウニ」 「……俺のこと、ディスりすぎじゃない? そっちが俺のこと選んだくせに」 「アア、単純馬鹿ダカラ、鳥ノサエズリニ、ヒソマセタ、暗示ガ、ヨク、キイタ」 「エイプリルの声が暗示?」 「オマエノ頭ニ、ウカンダ風景ハ、スベテ、ワタシガ、オクッタ、過去ノ地球外生命体ノ痕跡ヤ遺物ノデータダ。オマエノ絵ガ、話題ニナッテ、地球人ニ、場所ヲ特定サセヨウト、カンガエテイタガ、話題ニナルマエニ、発見サレタナ」  エイプリルの顔がわずかに含み笑いしているように見えた。  なんか俺、できないヤツみたいで、恥ずかしい。 「今回、フタツノ絵ガ、注目サレテイル。ソノウチ、他ノ場所モ、特定サレルダロウ。ソウダ、今、発見サレテイルモノガ、ドウイウ代物カ、オシエテヤロウカ?」
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