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1ヶ月後。
僕は川瀬と引っ越しをすることにした。
マッチングアプリで出会った不特定多数の
人に自宅を知られているリスクを心配した
川瀬が提案してきたのだ。
「自分で運ぶ荷物は、これだけ?」
「はい。川瀬さんは?」
「持ってる分だけ」
じゃあ行こうか、と川瀬と並んで
玄関ドアを開けた。
短期間での退去に対して、
お互いに違約金を支払った身。
金銭的にあまり余裕はないが、
新居には2人で入るから何とかなるだろう。
あの日から川瀬の寝不足は解消され、
僕の欲求不満も空の彼方に消えたのは
言うまでもない。
「あ、川瀬さん」
「何」
「今日もかっこいいですね」
「何を今更」
すごく大らかで、だけど少し自信過剰。
優しくて夜の相性が抜群にいい
僕の初めての恋人は、きっと最後の恋人。
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