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鏡に映った私
(絶対に彼には秘密だからね)
夏休みも終盤を迎えたその日、私は鏡に映る自分の姿を見つめながら、彼女のその言葉を思い出していた。
束ねている髪をおろして普段は殆ど付けないコンタクトにナチュラルメイクをした鏡の向こうの女の子は私じゃないみたいだ。
今日、彼と逢うのは二回目だった。
だけど彼は私ともう数十回は逢っていると思っているだろう。
その食い違い……、その秘密は……絶対に守らなきゃならない。
彼女の為に……。
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